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第67回研究例会

第67回研究例会「口承文芸モチーフの分布と伝播」が、10月18日に白百合女子大学で開催されます。

下記のように、日本口承文芸学会・第67回研究例会を開催いたします。ご多忙な時期ですが、万障お繰り合わせのうえ、ぜひご参加くださいますようお願いいたします。

 

シンポジウム「口承文芸モチーフの分布と伝播」

日本の昔話研究は対象を日本の昔話に限定せず、東アジア、ないしは環太平洋といった周辺地域に広げ、俯瞰的な目で論じる必要があることはいうまでもない。昔話の記録や資料のデータベース化、他民族の伝承の翻訳などが進んだ現在、以前とは違い口承文芸の比較研究に取り組むための条件が整いつつある。昔話の話型やモチーフの分布を調べ、その源郷を特定しようとする試みはアールネ・トムソン以来行われてきたとはいえ、用いられた資料に大きな偏りがあったことは否めない。しかし現在はそうした弱点が克服されつつあり、新たな成果が生まれつつある。そうした状況を踏まえ、「口承文芸モチーフの分布と伝播」と題するシンポジウムを企画した。
近年の動向のひとつとして注目したいのは、アフリカに誕生した人類が世界中へ拡散していった足跡を明らかにした人類学や考古学の取り組みに呼応し、その成果を口承文芸研究にも取り入れたロシアのベリョースキンの研究である。アフリカで誕生した人類が世界中に拡散していった歴史と対応させながら、世界的な広がりを持つ神話的モチーフの伝播経路を解明しようという壮大な試みである。他方、日本の昔話を東アジア的、あるいは環太平洋的視座から見つめ直し、大筋だけでなくディテールの異同にも注意を払った、よりきめ細かな比較研究も見られ、今後の進展が大いに期待される。
今回は3人のパネラーに登壇していただき、口承文芸研究の新たな可能性と今後の方向性を探る場としたい。

日時 2014年10月18日(土) 

   午後1時~4時30分(予定)

会場 白百合女子大学 2号館地階 2008教室
白百合女子大学(東京都調布市緑ヶ丘1-25)は京王線仙川駅より徒歩10分。

内容
「東アジアにおける昔話モチーフの分布」 斧原孝守
「ユーリー・ベリョースキンによる神話のコンピューター・データベース」 直野洋子
「環太平洋の神話」 山田仁史

司会 齋藤君子

                                            

2014/10/11 掲載 : 例会委員会