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『学生研究会による昔話研究の50年』

―フィールドワークの記憶と記録―
国学院大学説話研究会。国学院大学民俗文化研究会OB有志編

大学生のサークル活動として行われてきた口承文芸研究や民俗学も、既に五〇年の齢を積み重ねてきている。本書は、現在も活動を持続し、また多くの研究者を輩出し続けてきた国学院大学の説話研究会と民俗文化研究会の「経験」の記録である。

彼らの現場こそが、テープレコーダーという道具を最も積極的に使い、調査と記録のありかたの試行錯誤を繰り返しながら、資料集を編むという実践を続けてきた場所のひとつであり、また方法論や概念をめぐる問い直しを正面から受け止めようとした真摯な場所のひとつであったことを、我々は改めて知る。

しかしこれらは、「実習」などと名づけられるような正規のカリキュラムとして続けられたものでは、決してなかった。大学のなかにありながら、そうしたカリキュラムという体系の外側で、学生が中心になり教員と共に口承文芸研究を展開してきたことの意義と可能性を、今一度確認しておかねばならない。

(郵便振替〇〇一五〇-七-四六三九〇八・加入者名‐野村典彦/送料込二〇〇〇円)

2007/1/22 掲載 : 重信幸彦